障害年金が「初診日不明」で不支給になったら?
「自分で障害年金の手続きを行ったが、不支給の通知が届いてしまった」 「人工透析を行っており日常生活や就労に大きな支障があるのに、なぜ受給できないのか」
このようなご相談が、弊所へ多く寄せられます。特に人工透析を行っている場合、慢性腎不全としての障害状態は原則として「2級」に相当します。それにもかかわらず不支給となってしまう最大の原因の一つが、「初診日を証明できなかったこと」です。
過去に通院歴が多く、交通事故や別の内科疾患などを併発していると、どこが年金法上の初診日なのかが判断しづらく、年金事務所へ提出した書類の記述に食い違いが生じて却下されてしまう事例が少なくありません。
本記事では、ご自身で申請して不支給処分を受けた後、弊所が客観的な医療記録の開示請求と証拠の再構成を行い、再請求によって無事に「障害厚生年金2級」の受給に至った事例をご紹介します。過去に不支給決定を受けた方や、初診日の証明で手続きが止まっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
自力請求での不支給から再請求で受給決定まで
1. 相談者の状況と申請に至る経緯(Aさん・50代男性・会社員)
Aさんは会社員として勤務していた令和4年、慢性腎不全が悪化し、週3回の血液透析(人工透析療法)を導入することになりました。
人工透析を行うと障害年金の受給対象になると知ったAさんは、自身で年金事務所へ相談に行き、病歴・就労状況等申立書を作成して、令和5年3月に障害厚生年金の裁定請求を行いました。
しかし、数か月後に届いた通知は無念の「不支給決定通知書」。記載されていた理由は「初診日が厚生年金保険の被保険者であった間であることを確認することができないため」という文言でした。
人工透析を行っているにもかかわらず不支給となった事実に大きなショックを受けたAさんは、ご家族の勧めもあり、障害年金手続きを専門とする弊所へご相談にいらっしゃいました。
2. 直面した具体的な課題
弊所がAさんの年金記録と、初回請求時に提出した書類の控えを詳細に精査したところ、以下の3つの重大な課題が浮き彫りになりました。
課題①:通院歴の重複と初診日の混同
Aさんは平成28年頃から複数の医療機関に通院していました。過去に巻き込まれた交通事故による外傷の治療、その後に発症した心筋梗塞の治療などがあり、その一連の検査過程の中で「腎機能の数値(血清クレアチニン値等)の異常」を指摘されていました。複数の内科や外科を受診していたため、Aさんご自身でも「どの病院で初めて腎疾患を指摘されたのか」を正確に記憶できていませんでした。
課題②:本人請求時の申立内容と医療記録の齟齬
Aさんが自ら作成した「病歴・就労状況等申立書」に記載された通院開始日や自覚症状の発現時期の日付が、実際の受診記録と食い違っていました。保険者(日本年金機構)は申立書と診断書の整合性を厳密に審査するため、日付の曖昧さや食い違いが「初診日不明」と判断される決定打となっていました。
課題③:カルテ廃棄と証明書類の不足
腎機能異常を最初に指摘されたと推測される初期の医療機関は、すでに法定保存期間(5年間)を経過しており、受診状況等証明書(初診日証明書)の取得ができない状態にありました。
3. 弊所によるサポートと課題解決のアプローチ
初診日が曖昧なまま再度同じ内容で請求しても、同じく却下処分を受けるだけです。そこで弊所では、以前の請求における記述の誤りを客観的に補正するため、徹底した資料収集と立証作業を進めました。
ステップ1:民間生命保険会社に対する契約関係書類・診断書の開示請求
Aさんは過去に通院歴があるため、民間生命保険会社へ給付金請求を行っていた実績がありました。そこで、保険会社に対して当時提出された診断書の写しを開示請求しました。開示された書類を確認したところ、平成28年当時の詳細な傷病名、既往症、自覚症状の発現時期が明記されており、Aさんの記憶違いであった日付を特定することができました。
ステップ2:複数医療機関への診療録(カルテ)・検査結果の開示請求
過去に通院歴のある循環器内科および外科に対し、残存しているカルテの全記録と生化学検査(血液・尿検査)結果の開示を請求しました。 その結果、心筋梗塞の治療で受診した際の血液検査データにおいて、すでに腎機能障害を示す高数値が記録されていることを確認しました。
4. 受給決定までの流れ
整えた客観的証拠と補正後の病歴・就労状況等申立書を添付し、管轄の年金事務所へ障害厚生年金の再請求手続きを行いました。
その結果、提出した検査数値と診療経過が認められ、主張した日付が正式に「初診日」として認定されました。そして、障害厚生年金2級の受給権が認められ、無事に年金証書がAさんの元へ届きました。
不支給通知が届いても諦める必要はありません
一度下された「不支給決定」を覆すことは簡単ではありません。過去に提出した書類の記録は年金機構側にすべて残っているため、新たな証拠もないまま単に日付を変えて再請求しても、虚偽や不整合とみなされて却下されてしまいます。
しかし、本事例のように「なぜ以前の請求内容に誤りがあったのか」を客観的な医療記録や証拠によって証明できれば、改めて認定を受け、本来受け取るべき年金を受給できる可能性は十分にあります。
「自分の症状で受給できるのか分からない」 「初診日の病院にカルテがないと言われて困っている」 「不支給通知が届いてどうすればいいか分からない」
そのようなお悩みをお抱えの方は、一人で抱え込まず、まずは弊所の無料相談をご活用ください。ご本人の病歴や受診状況を丁寧に伺い、受給に向けた最適な方針をご提案いたします。
※本事例は、個人情報保護の観点から、趣旨や手続きの本質を損なわない範囲で一部の事実関係および個人属性に変更を加えて記載しております。
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