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うつ病の障害年金は認定日前でも相談できる?

うつ病と診断され、日々の生活や就労に大きな支障が出ているにもかかわらず、「初診日からまだ1年6か月経っていないから、今は何もできないのでは」と一人で不安を抱えていませんか。

障害年金は、原則として初診日から1年6か月を経過した「障害認定日」以降でなければ申請手続き(裁定請求)を行うことができません。しかし、障害認定日が到来するのをただ待っているだけでは、初診日の証明書類が手に入らなくなったり、主治医に日常生活の不自由さが伝わらず実態と異なる診断書が作成されたりするリスクがあります。

体調が優れない中で複雑な年金制度を調べ、医師へ自らの状態を正確に伝え、膨大な書類を準備することは心身ともに極めて大きな負担となります。

本記事では、うつ病で通院開始から数か月が経過した段階で当事務所へお電話をいただき、障害認定日の到来を見据えて事前に準備を進めたAさんの事例をご紹介します。

事例の詳細

症状や申請に至るまでの経緯

AさんはIT関連企業でプロジェクト管理を担当していましたが、担当業務の急激な増加と人員不足により、月60時間を超える時間外労働が4か月連続で発生しました。次第に不眠、食欲不振、強い抑うつ気分、希死念慮が生じ、2024年10月12日に近隣の心療内科を初めて受診しました。医師より重度のうつ状態と診断され、直ちに休職に入りました。

休職後も意欲低下が著しく、日中の大半を自室のベッドで横になって過ごす生活が続きました。食事は家族が用意しても1日1食摂るのが精一杯で、入浴は週に1回程度しか行えず、外出は通院時以外不可能という重い病状が継続していました。

傷病手当金を受給しながら療養を続けていたものの、支給期間(通算1年6か月)の満了後における生活費への不安から、障害年金の受給を考え始めました。しかし、ご自身で調べたところ「初診日から1年6か月が経過しないと申請できない」と知り、「まだ7か月しか経っていないが、今の段階で何ができるのか」「体調が悪化して自力で書類を揃えられる自信がない」と思い詰め、当事務所へお電話でお問い合わせをいただきました。

直面した具体的な課題

  1. 障害認定日(2026年4月12日)まで約11か月あり、申請窓口では受付されないこと

障害年金は、初診日から起算して1年6か月を経過した日、またはその期間内に症状が固定した日(障害認定日)において一定の障害等級に該当する場合に受給権が発生します。精神障害の場合は通常1年6か月の経過をもって障害認定日となるため、相談時点では行政窓口に書類を提出することはできません。

  1. 保険料納付要件の確認不足

障害年金を請求するには、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの公的年金加入期間のうち、保険料納付済期間(免除期間を含む)が3分の2以上あること、または初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないことが必須です。Aさんは休職中であり、自身の納付状況に問題がないか把握できていませんでした。

  1. 初診の医療機関と現在の通院先が異なっていたこと

Aさんは初診から3か月後に、自宅療養に適した別の精神科専門病院へ転院していました。転院している場合、初診日を証明する「受診状況等証明書」を最初の医療機関で作成してもらう必要がありますが、医療機関のカルテ保存期間は法律上5年と定められており、時間が経過するほど証明が困難になる懸念がありました。

  1. 主治医に日常生活の実態が伝わっていない懸念

Aさんは診察時、医師の前では緊張して無理に受け答えをしてしまい、「何とか過ごせています」と答えてしまう傾向がありました。そのため、家事や身の回りのことが一切できず家族の全面的な支援を受けている実態が、主治医のカルテに十分に記録されていない状態でした。

弊所のサポート内容と課題の解決

Aさんとの電話相談において、体調への配慮を最優先にしながら、現在の不安や今後の生活設計について丁寧にお伺いしました。その上で、認定日が未到来の段階だからこそ行うべき事前準備と、認定日到来時に確実な申請を行うための支援プランを提示し、受任予約という形で正式にサポートを開始しました。

1. 年金記録の精査と納付要件の事前確認

当事務所にて年金事務所へ出向き、Aさんの年金加入記録を厳密に照会しました。初診日である2024年10月12日の前日時点において、前々月までの加入履歴を確認したところ、大学卒業以降すべて厚生年金保険の加入期間であり、未納期間は一切存在しないことを確認しました。これにより、保険料納付要件を完全に満たしていることが客観的に証明されました。

2. 初診日を証明する「受診状況等証明書」の早期確保

初診の心療内科へ当事務所から正式に連絡を取り、受診状況等証明書の作成を依頼しました。初診日における医師の診察記録、初診時の症状、受診に至った契機が明確に記載されていることを確認した上で取得を完了させ、初診日に関する証拠を確固たるものにしました。

3. 日常生活状況の記録と主治医への情報共有サポート

精神の障害認定においては、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に基づき、日常生活能力の判定(7項目:適切な食事、身辺の清潔保持、金銭管理と買い物、通院と服薬、対人関係、身辺の安全保持、社会的手続き)および日常生活能力の程度が極めて重視されます。

当事務所では、ご家族からの聞き取りを行い、Aさんが一人では食事や入浴が行えず、外出時にはパニック症状が出るため通院同行が不可欠である事実を、具体的なエピソードとともに「日常生活状況報告書」として客観的に整理しました。Aさんが定期通院する際、この報告書を主治医へ持参・共有していただくことで、医師が普段の短い診察時間では把握できない家庭内の生活実態をカルテへ反映できるよう環境を整えました。

4. 障害認定日到来に合わせた診断書作成と申請の完結

初診日から1年6か月が経過する2026年4月12日の直前(同年3月下旬)、当事務所で作成したご本人の時系列の状態の資料をご本人に渡し、受診の際に作成依頼をしてもらいました。出来上がった診断書には、Aさんの就労不能状態および日常生活における常時援助の必要性が、ガイドラインの基準に沿って精緻に反映されていました。

併せて、発病から現在までの受診履歴、職歴、日常生活の不自由さを時系列で詳細にまとめた「病歴・就労状況等申立書」を当事務所が作成し、認定日到来直後の2026年4月下旬に年金事務所へ提出しました。

ご相談のご案内

障害年金の申請には「初診日から1年6か月」という厳格な期間の定めが存在しますが、その期間を「何もせずに待つ期間」にするか、「確実な受給に向けて着実に準備を進める期間」にするかで、結果が大きく左右されます。

初診日から日が浅い段階であっても、初診日の証明を保全し、日々の生活の不自由さを主治医に正しく伝えていく作業は今すぐに開始できます。特に精神疾患の場合、自力で長期にわたる手続きを管理することは症状の悪化を招きかねません。

「まだ認定日が来ていないけれど、今から準備できることはあるか」「退職後の生活が不安で夜も眠れない」という方は、どうぞ一人で抱え込まず、まずは弊所の無料電話相談をご利用ください。あなたとご家族の生活の安定に向けて誠心誠意サポートいたします。

※本事例は、個人情報保護の観点から、趣旨や手続きの本質を損なわない範囲で一部の事実関係および個人属性に変更を加えて記載しております。

障害年金の申請、審査請求・再審査請求、その他(額改定請求、支給停止事由消滅届、更新手続きなど)、障害年金のことなら城田社会保険労務士事務所にご相談ください。
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著者 特定社会保険労務士
城田 めぐみ
城田社会保険労務士事務所
東京都豊島区

当事務所は、障害年金の申請支援を専門に取り組んでいる社会保険労務士事務所です。様々な傷病による障害年金の手続きは複雑で、多くの方が途中で諦めてしまうこともあります。当事務所では、初回相談から診断書の準備、申請書類の作成、年金事務所とのやりとりまで、受給に向けて丁寧にサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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