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【発達障害・知的障害と精神疾患】病名の変化や併存にお悩みの方へ

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

最近、当事務所に多く寄せられるご相談の中に、「精神疾患の病名(診断名)が変わってしまった」というものがあります。

精神疾患は、時間の経過とともに症状が変化したり、転院して主治医が変わったりすることで、途中で病名が変わるケースが本当によくあります。

例えば……

最初は「うつ病」と言われていたが、後に「双極性障害」や「統合失調症」に変わった

発達障害(ASDやADHD)や知的障害のベースがある中で、後から精神疾患を併発した

このように病名が変わったり、複数の疾患が重なったりすると、「公的な手続きや書類上、どのように扱われるのだろう……」と判断に迷ってしまう方も少なくありません。

実はこのようなケースについて、厚生労働省からひとつの明確な指針が出されているのをご存知でしょうか。

厚生労働省の疑義照会 「発達障害や知的障害と精神疾患が併存している場合の取扱い」

この疑義照会(行政の手続きにおけるQ&Aのようなもの)の中では、複数の疾患が併存している場合や、途中で病名が変わった場合に「国としてどのように取り扱うか」という具体的な回答が示されています。

この公的な基準を知っておくことは、病名の変化による不安や迷いを解消するための大きなヒントになります。

そこで今回は、この厚生労働省の疑義照会を参考に、「病名が変わった・併存している場合の取扱い」について詳しく解説していきます。

知的障害や発達障害と他の精神疾患を併発しているケースについては、障害の特質性から初診日及び障害状態の認定契機のついて次のとおり整理するが、認定に当たっては、これらを目安に発病の経過や症状から総合的に判断する。

(1) うつ病又は統合失調症と診断されていた者に後から発達障害が判明 するケースについては、そのほとんどが診断名の変更であり、あらたな 疾病が発症したものではないことから別疾病とせず「同一疾病」として扱う。

(2) 発達障害と診断された者に後からうつ病や神経症で精神病様態を併発した場合は、うつ病や精神病様態は、発達障害が起因して発症したものとの考えが一般的であることから「同一疾病」として扱う。

(3) 知的障害と発達障害は、いずれも20歳前に発症するものとされているので、知的障害と判断されたが障害年金の受給に至らない程度の者に 後から発達障害が診断され障害等級に該当する場合は、原則「同一疾病」 として扱う。

例えば、知的障害は3級程度であった者が社会生活に適応できず、発達障害の症状が顕著になった場合などは「同一疾病」とし事後重症扱いとする。

なお、知的障害を伴わない者や3級不該当程度の知的障害がある者に ついては、発達障害の症状により、はじめて診療を受けた日を初診とし、 「別疾病」として扱う。

(4) 知的障害と診断された者に後からうつ病が発症した場合は、知的障害 が起因して発症したという考え方が一般的であることから「同一疾病」 とする。

(5) 知的障害と診断された者に後から神経症で精神病様態を併発した場 合は「別疾病」とする。

ただし、「統合失調症(F2)」の病態を示している場合は、統合失 調症が併発した場合として取り扱い、「そううつ病(気分(感情)障害) (F3)」の病態を示している場合は、うつ病が併発した場合として取り扱う。)

(6) 発達障害や知的障害である者に後から統合失調症が発症することは、極めて少ないとされていることから原則「別疾病」とする。

ただし、「同一疾病」と考えられるケースとしては、発達障害や知的 障害の症状の中には、稀に統合失調症の様態を呈すものもあり、このような症状があると作成医が統合失調症の診断名を発達障害や知的障害の 傷病名に付してくることがある。したがって、このような場合は、「同一疾病」とする。

(参考) 発達障害は、ICD-10では、F80からF89、F90からF98にあたる。

発達障害や知的障害と精神疾患が併発する場合の一例

前発疾病後発疾病判定
発達障害うつ病同一疾病
発達障害神経症で精神病様態
うつ病 統合失調症発達障害診断名の変更
知的障害(軽度)発達障害同一疾患
知的障害うつ病
知的障害神経症で精神病様態別疾患
知的障害 発達障害統合失調症前発疾患の病態として出現している場合は同一疾患(確認が必要)
知的障害 発達障害その他精神疾患別疾患

実際にご自身のケースが上記のパターンにあてはまるかもしれません。ただ、やはりなかなかご自身でご判断されるのが難しいというご回答も多々いただきます。その際は、どうぞご遠慮なく当事務所にお気軽にお問合せください。お待ちしております。

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著者 特定社会保険労務士
城田 めぐみ
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