未納が多くても受給に繋がった秘訣とは?
Aさん(現在は30代・男性)は、大学を卒業した後に就職したものの、職場の人間関係や業務のプレッシャーから徐々に体調を崩されました。激しい幻覚や妄想、強い不安感に襲われるようになり、日常生活を正常に営むことが困難となったため、精神科を受診したところ「統合失調症」と診断されました。
その後、Aさんは仕事を退職せざるを得なくなり、実家で療養生活を続けておられました。経済的な将来への不安から障害年金の存在を知り、ご自身で調べられたものの、20歳以降に経済的な困窮から年金保険料の未納期間が数年間にわたって累積しており、直近1年間の未納がないこと、または全加入期間の3分の2以上を納付していることという、法律が定める原則的な納付要件をどうしても満たせない状態であることが判明しました。「自分は受給資格がないのだ」と絶望されていたところ、ご家族に伴われて弊所を訪問されました。
直面した具体的な課題
弊所が最初にお話を伺った際、Aさんの20歳以降の年金記録は確かに未納が大半を占めており、原則的な納付要件を満たせないことは明らかでした。
しかし、Aさんのこれまでの歩みを丁寧に紐解いていくうちに、重要な事実が浮上しました。Aさんは高校生(10代)の時期に、ご家族の仕事の都合で海外に数年間滞在されていた経験があったのです。当時、Aさんは現地で軽度の不眠や気分の落ち込みを訴え、現地の精神科医療機関を受診していたことが分かりました。
ここで生じた課題は以下の2点です。
- 海外の医療機関における受診が、日本の障害年金制度における「初診日」として認められるか。
- 受診から10年以上が経過している現地病院から、当時の記録を取り寄せることができるか。
弊所によるサポートと課題の解決策
これに対し、弊所は以下のステップでサポートを進め、課題を解決いたしました。
まず、海外の医療機関であっても、現地の医師による診療を受けた日であることが客観的に証明できれば、日本の公的年金制度における初診日として認められます。
次に、現地の医療機関へのアプローチです。Aさんのご家族の協力を得て、海外の病院へ書面および電子メールにて連絡を取り、当時の診療記録の開示を請求しました。幸いにも現地病院にデータが保管されており、Aさんが18歳当時の受診日、医師の診断内容、処方薬が記載された英文の証明書類を入手することができました。
受給決定までの流れ
20歳前の海外受診記録を「受診状況等証明書」の代わりとして位置付け、現在Aさんが通院している日本の主治医に対しても、当時の海外での症状や地続きとなっている病状の変遷を詳細に説明し、現在の診断書を作成していただきました。
結果、Aさんの18歳当時の海外受診が正式に初診日として認められ、現在の症状も障害等級2級の基準に合致すると判定され、無事に障害基礎年金2級の受給が決定いたしました。
社労士に依頼するメリット
障害年金の申請、特に今回のように海外の受診記録が絡むケースや、一見して納付要件を満たさないように見えるケースでは、社会保険労務士の専門知識が大きな力を発揮します。
多角的なヒアリングによる「隠れた初診日」の発見
ご自身では「未納だから無理だ」と思い込んでいる状況でも、専門家が過去の経歴や受診歴を丁寧に聞き取ることで、20歳前の初診日や、別病名での関連性を発見し、受給の可能性を見出すことができます。
海外書類や外国語対応への的確な書類整備
海外の医療機関から書類を取り寄せる際のアドバイスや、入手した英文書類に対する適切な日本語翻訳文の作成など、個人で行うにはハードルが高い手続きを円滑に代行します。
医師との連携および申立書の整合性確保
現在の主治医に対して、過去の海外での受診歴や病状の変遷を正しく伝えるためのサポートを行い、病歴・就労状況等申立書と診断書の内容に矛盾がないよう、専門的な視点で書類をまとめ上げます。
まとめ
年金の未納が多いからといって、障害年金の受給をすぐに諦める必要はありません。今回のAさんのように、20歳前に海外の医療機関を受診していたという事実が、未納の壁を乗り越える決定的な鍵となることもあります。制度の特例や海外の書類の扱いに関する知識があれば、閉ざされているように見えた道が開通することがあります。
弊所は、障害年金申請の専門家として、ご相談者様一人ひとりに真摯に耳を傾け、あらゆる可能性を模索いたします。「未納があるから」「昔の書類が海外にあるから」と悩まれる前に、まずは一度、弊所までお気軽にご相談ください。あなたとご家族の生活の安定に向け、誠心誠意サポートいたします。
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