ブログBLOG

人工透析で障害年金はもらえる?初診日が数十年前で証明できない場合の事例

「人工透析治療を続けているが、障害年金を請求できると最近知った」

「子どもの頃に初めて病院へ行ったため、当時のカルテが残っておらず申請を諦めている」

このような不安やお悩みを抱えていませんか?

人工透析を導入された場合、原則として障害年金2級の認定基準に該当します。しかし、障害年金の請求では「初診日(病気やケガで初めて医師の診療を受けた日)」を客観的に証明しなければなりません。医療機関のカルテ保存義務期間は医師法等により5年と定められており、初診日が何十年も前の場合は「カルテが見つからない」という大きな壁に直面することが少なくありません。

結論から申し上げますと、カルテが破棄されていても、当時の客観的な周辺資料や複数の方による「第三者証明」を組み合わせることで、初診日を認めてもらえる道は残されています。

本記事では、幼少期に腎疾患を発症し、長年経過後に人工透析を導入されたAさんの事例をもとに、初診日証明の課題をどのように解決して受給に至ったかを詳しく解説します。

(1) ご相談者の基本情報

ご相談者: Aさん(男性・50代)

傷病名: 慢性腎不全(人工透析療法実施中)

請求方法: 20歳前傷病による障害基礎年金(事後重症請求)

(2) 発症から相談に至るまでの経緯

幼少期(発症): 小学校入学前の健康診断で異常を指摘され、小児科を受診。腎疾患と診断され、激しい運動の制限や食事制限を受けながら定期的な通院・投薬治療を継続。

中学時代(経過観察): 症状がいったん落ち着き、中学在学中は投薬治療を休止し、定期的な検査(経過観察)のみとなる。

成人後~透析導入: 社会人になってから健康診断での数値悪化を機に再通院を開始。悪化と小康状態を繰り返したが、平成20年に慢性腎不全が進行し、週3回の人工透析治療を導入。

請求の遅れと悩み: 当時は日々の治療と仕事の維持で余裕がなく、障害年金制度の存在を知りませんでした。近年になって制度を知り、幼少期にかかった総合病院へ問い合わせたものの、「数十年前に閉院しており、カルテも破棄されたため受診状況等証明書は作成できない」と回答され、途方に暮れて弊所へメールでご相談いただきました。

(3) 直面した具体的な課題

本件において直面した主な課題は以下の2点でした。

課題1:初診日の医療記録が一切存在しないこと

発症時の医療機関が既に存在せず、カルテ等の直接的な医療記録が入手不可能でした。初診日が確定できなければ、年金の請求自体が不受理または不支給となる恐れがありました。

課題2:中学時代の「無投薬・経過観察期間」の連続性

中学時代に投薬をしていなかった期間があるため、制度上「医学的に治ゆ(社会的治癒を含む)して後の再発とみなされないか」、すなわち幼少期の傷病と現在の透析導入に至る腎不全との間に相当因果関係(同一の病気の継続)が認められるかが論点となりました。

(4) 弊所によるサポートと課題の解決策

弊所では、以下の手順で証拠書類の再構築と申立ての補強を行いました。

客観的な初診日推定資料の探索と収集

Aさんのご家族に保管資料の確認を依頼し、以下の客観的記録を収集しました。

小学校入学前後の記録が残る「母子健康手帳(腎臓病に関する検診結果や療養指示の記載)」

小学校時代の「学校生活管理指導表(運動制限区分が明記されたもの)」の写し

過去にお薬の処方を受けていた当時の薬袋および診察券

三親等内の親族以外の関係者による「第三者証明」の取得

日本年金機構の基準に基づき、初診当時の通院事実を客観的に証言できる当時の学校関係者および当時の近隣住民(2名)から「初診日に関する第三者証明」を取得しました。当時の通院頻度や運動制限を受けていた具体的な生活状況を詳細に証言していただきました。

相当因果関係および病歴・就労状況等申立書の緻密な作成

中学時代の「無投薬」は治癒したのではなく「自覚症状が少ない慢性腎疾患特有の経過観察状態」であったことを説明。その後の成人期の健康診断結果や再通院の記録を時系列で整理し、発症から透析導入に至るまで病道が一本につながっている(相当因果関係がある)ことを『病歴・就労状況等申立書』において具体的に記載しました。

結果、年金証書が届いたAさんからは、「子どもの頃の記録がなく半ば諦めていましたが、諦めずに相談して本当によかった」とのお言葉をいただきました。

まとめ

障害年金は、病気やケガによって生活や就労に制限が生じた際に受給できる公的な権利です。

しかし、「初診日が古くて病院の証明が出ない」「長年申請せずに放置していた」という理由で請求を諦めてしまう方が多くいらっしゃいます。本事例のように、適切な証拠書類を積み重ねることで受給に至る道が開けるケースは少なくありません。

当事務所では、障害年金に関する初期相談を無料で承っております。お一人で抱え込まず、まずは現状をお気軽にお聞かせください。

豊島区、練馬区、板橋区、中野区、杉並区、北区、新宿区、東京23区、埼玉県、神奈川県で社会保険労務士をお探しの皆さま、障害年金申請、審査請求、再審査請求のことなら、城田社会保険労務士事務所にご相談ください。

著者 特定社会保険労務士
城田 めぐみ
城田社会保険労務士事務所
東京都豊島区

当事務所は、障害年金の申請支援を専門に取り組んでいる社会保険労務士事務所です。様々な傷病による障害年金の手続きは複雑で、多くの方が途中で諦めてしまうこともあります。当事務所では、初回相談から診断書の準備、申請書類の作成、年金事務所とのやりとりまで、受給に向けて丁寧にサポートいたします。お気軽にご相談ください。

些細なことでも遠慮なくご相談ください

  • 初回相談
    60分無料
  • オンライン相談
    対応
  • 土日祝・夜間
    対応(要予約)

pagetop