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精神障害者手帳3級でも障害年金2級になる?

仕事のストレスや恒常的な長時間労働によって体調を崩し、引きこもりがちになってしまうと、「今後の生活費はどうなるのだろう」と強い不安を感じるものです。障害年金の申請を考えてみても、「途中で通院をやめてしまった時期がある」「障害者手帳の等級が3級だから、年金も3級にしかならないのでは」と諦めてしまいそうになる方も少なくありません。

実は、精神障害者保健福祉手帳と障害年金は審査機関も目的も異なる別の制度です。そのため、手帳が3級であっても、実際の日常生活の困難さを書類でしっかりと示すことができれば、障害年金2級が認められる可能性は十分にあります。

本記事では、長時間労働から不眠となり、一度は受診を中断しながらも、申立書の作成を工夫することで障害厚生年金2級の受給に至ったAさんの事例をご紹介します。記事をお読みいただくことで、手帳の等級と年金等級の違いや、書面で日常生活の厳しさを正しく伝える重要性がご理解いただけます。

事例の詳細解説

相談者の背景と症状の経過

Aさんは、長年にわたり民間企業に勤務されていました。しかし、恒常的な長時間労働が続いたことで強いストレスを抱え、ひどい不眠に悩まされるようになりました。「精神科に行くのは抵抗がある」という思いもありましたが、限界を感じて勇気を出して受診し、睡眠薬の処方を受けました。

しかし、精神科での受診を終えて建物の外へ出たところで、たまたま通行人と目が合い、その視線に対して激しい恐怖感(視線恐怖)を覚えるようになりました。この恐怖心が原因で継続的な通院ができなくなり、受診を中断してしまいました。

その後も眠れない日々は続き、会社は退職。何もやる気が起きず、自宅に引きこもる日々が数年間にわたって続きました。心配したご家族の熱心な説得を受け、Aさんはようやく精神科への受診を再開。それ以降は治療を受け入れ、通院を継続できるようになりました。

直面した具体的な課題

通院を再開して6か月が経過した時点で、Aさんは精神障害者保健福祉手帳(以下、精神障害者手帳)を申請し、3級の認定を受けました。 ご家族は「手帳が3級なら、障害年金も3級にしかならないのではないか」と悩まれていました。しかし、実際のAさんの日常生活の様子を伺うと、食事や清掃などの家事、身の回りの用事すら一人で行うことが難しく、ご家族の常時的な助けが不可欠な状態でした。障害年金の認定基準に照らすと、実態は「日常生活に著しい制限を受ける」とされる2級相当であると思われました。

ここで直面した主な課題は以下の2点です。

手帳3級の印象に引きずられず、年金2級相当の日常生活の困難さをいかに証明するか

精神障害者手帳と障害年金は診断書の形式が似ているため、記載内容も同様になりやすく、手帳の等級が一定の目安とされてしまう傾向があります。手帳3級の診断書内容のまま申請すると、年金も3級(あるいは不支給)と判断されるリスクがありました。

初回受診から数年間の通院中断期間の状況をどう説明するか

初診から数年間の引きこもり期間(未受診期間)があるため、病歴の連続性や当時の病状を客観的な書類(病歴・就労状況等申立書)で過不足なく説明する必要がありました。

当事務所によるサポートと解決策

当事務所では、まず「精神障害者手帳と障害年金は根拠法令も審査機関も異なる別制度である」ことをご説明し、手帳の等級にとらわれずに申請準備を進める方針を立てました。

主治医への正確な情報共有と診断書作成の依頼

病院の診察時間内だけでは伝えきれていない「自宅での引きこもり生活の実態」や「ご家族からの介護の必要性」について、Aさんやご家族から聞き取りを行い、具体的に整理した参照資料を作成して主治医にお渡ししました。これにより、診断書に日常の不自由さが正確に反映されるよう環境を整えました。

「病歴・就労状況等申立書」の徹底的な工夫

 診断書だけに頼らず、日常生活に関する申立書を工夫して作成しました。「通院を中断せざるを得なくなった視線恐怖の背景」「数年間にわたる引きこもり中の生活状況(家族がどのような援助をしていたか)」「退職に至った経緯」について、年月ごとに細かく記載しました。当時の苦しさと現在の不自由さを数字や具体的エピソードで補強し、実態が伝わる内容に仕上げました。

結果

精神障害者手帳は3級でしたが、診断書だけに頼らず、日常生活の困難さを正確に伝える申立書を工夫して作成したことで、Aさんの実態に即した「障害厚生年金2級」の受給決定を受けることができました。

まとめ

精神障害者手帳の等級が3級であっても、障害年金の申請を諦める必要はありません。両者は異なる制度であり、実際の生活でどの程度の制限を受けているかを「病歴・就労状況等申立書」などで適切に証明できれば、2級の受給決定につながるケースは多く存在します。

「一度受診をやめてしまった」「自分の状態が年金の対象になるかわからない」とお悩みの方は、一人で抱え込まず、まずは当事務所までお気軽にご相談ください。丁寧にご状況をお聞きし、受給に向けた最適な手続きをご提案いたします。

豊島区、練馬区、板橋区、中野区、杉並区、北区、新宿区、東京23区、埼玉県、神奈川県で社会保険労務士をお探しの皆さま、障害年金申請、審査請求、再審査請求のことなら、城田社会保険労務士事務所にご相談ください。

著者 特定社会保険労務士
城田 めぐみ
城田社会保険労務士事務所
東京都豊島区

当事務所は、障害年金の申請支援を専門に取り組んでいる社会保険労務士事務所です。様々な傷病による障害年金の手続きは複雑で、多くの方が途中で諦めてしまうこともあります。当事務所では、初回相談から診断書の準備、申請書類の作成、年金事務所とのやりとりまで、受給に向けて丁寧にサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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