障害基礎年金がもらえない?学生時代の怪我で特別障害給付金を受給した事例
障害年金の申請を検討されている方の中には、「学生時代に国民年金に加入していなかった時期(未納期間)に怪我や病気をしてしまった」という理由で、障害基礎年金の受給を諦めている方がいらっしゃるかもしれません。
実は、平成3年(1991年)3月以前の学生など、当時国民年金への加入が「任意」であったために未加入だった方を対象とした「特別障害給付金制度」という福祉的措置が存在します。
本記事では、学生時代に交通事故に遭い、30代になってから特別障害給付金2級の受給が決定した事例をもとに、申請時に直面しがちな課題や解決策について、社会保険労務士が詳しく解説します。過去に不支給となってしまった方や、これから申請をお考えの方の参考になれば幸いです。
事例の詳細解説
相談者:Aさん(男性・30代)
病名:高次脳機能障害(交通事故による脳挫傷の後遺症)
初診日:平成2年5月10日
当時の状況:大学生(昼間部在学)。国民年金は任意加入期間であり、未加入(未納)であった。
症状や申請に至るまでの経緯
Aさんは、平成2年の大学生時代にバイクで交通事故に遭い、頭部を強打しました。治療とリハビリを経て社会復帰を果たし、一般企業に就職しました。
しかし、30代になってから記憶障害や注意障害といった「高次脳機能障害」の症状が顕著に現れ始めました。業務上のミスが重なり、最終的に体調不良で仕事を退職せざるを得なくなりました。
今後の生活への不安から、障害年金の申請を試みて年金事務所に相談に行きましたが、「初診日(平成2年5月10日)に国民年金に加入していなかったため、障害基礎年金は不支給となる」と説明され、一度は申請を断念してしまいました。
直面した具体的な課題 Aさんが抱えていた主な課題は以下の3点でした。
・特別障害給付金制度の認知不足
障害基礎年金が不支給となるケースでも、要件を満たせば特別障害給付金を受給できる制度があることを知らなかった。
・初診日の証明困難
初診日から20年以上が経過しており、当時の医療機関にカルテが保存されておらず、「受診状況等証明書」の取得ができなかった。
・就労状況の客観的な説明
退職に至るまでの就労の困難さを、「病歴・就労状況等申立書」において審査機関へ正確に伝える表現方法が分からなかった。
弊所のサポートと解決策 Aさんからご相談を受けた弊所は、以下のサポートを行いました。
・制度該当性の確認
Aさんの初診日が「平成3年3月以前の国民年金任意加入対象であった学生」の期間に該当することを確認し、障害基礎年金ではなく「特別障害給付金制度」での申請へ手続きを切り替えました。当時の在学状況を証明するため、大学から在学証明書を取得しました。
・客観的資料による初診日の特定
医療機関のカルテは破棄されていましたが、弊所のサポートにより、当時の「交通事故証明書」や「診察券」、および同時期に記録された「第三者(当時の友人)の証言」を収集しました。これにより、初診日を特定するための客観的資料として提出しました。
・病歴・就労状況等申立書の作成代行
Aさんの記憶障害等の症状が、具体的にどのように仕事や日常生活に支障をきたしていたのかをヒアリングしました。「指示をすぐに忘れてしまうため、1日に5回以上同じミスを繰り返した」など、具体的な数値を交えて書類を作成し、日本年金機構の審査基準に照らして客観的な状況が伝わるよう記載しました。
・受給決定までの流れ
上記の書類を整備し、住所地の市区町村役場へ特別障害給付金の請求を行いました。日本年金機構での審査の結果、申請から数ヶ月後に特別障害給付金2級の認定を受けることができました。
まとめ
「学生時代に国民年金が未納だったから」と諦める必要はありません。「特別障害給付金制度」という福祉的措置が存在します。
しかし、過去の初診日の証明や書類作成には専門的な知識が求められます。ご自身やご家族の症状が制度の対象になるかご不安な方、過去に不支給決定を受けてお悩みの方は、ぜひ一度、弊所にご相談ください。専門家として、皆様の悩みに寄り添い、申請に向けた道筋を全力でサポートいたします。
※なお、本記事でご紹介した内容は、個人情報保護の観点から設定を一部変更して作成しており、実際の特定の申請事例そのものではありません。
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