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大人になって気づいた発達障害

「学生の頃はそれなりに過ごせていたのに、社会人になった途端、仕事がうまく回らなくなってしまった……」 「マルチタスクが苦手でパニックになったり、職場の人間関係に馴染めなかったりして、すっかり自信をなくしてしまった」

大人になって社会に出てから初めて、生きづらさや環境へのなじめなさに気づき、病院でアスペルガー症候群などの発達障害の診断を受ける方がとても増えています。

毎日がんばろうとしても空回りしてしまい、心も体も疲れ果ててしまうのは、決してあなたの努力不足ではありません。

障害年金は、こうした生きづらさや体調不良によって、普段の生活や仕事に大きな制限が出ている方を支えるための、国の公的な制度です。「子どもの頃から病院に通っていないとダメなのかな?」と思われがちですが、社会人になってから初めて病院に行った場合でも、きちんと要件を満たせば障害年金を受け取ることができます。

今回は、一般企業に就職した後に体調を崩し、そこからサポートを受けて障害年金を受給できるようになったBさんのエピソードをご紹介します。難しく感じてしまいがちな手続きのポイントを、できるだけ分かりやすく紐解いていきましょう。

Bさんのプロフィールとこれまでの歩み

ご相談者様:Bさん(20代後半・男性・申請当時は無職)

病名:発達障害(アスペルガー症候群)

Bさんは大学を卒業したあと、一般企業の事務職として働き始めました。しかし、いざ仕事が始まると、「口頭で一度にたくさんの指示をされるとパニックになる」「マニュアルにない急なトラブルが起きるとフリーズしてしまう」「職場のちょっとした雑談や、上司の言葉のニュアンスがうまく読み取れない」といった状況が重なり、毎日のようにミスを繰り返してしまいました。

「どうして自分はみんなと同じようにできないんだろう」と自分を責め続けた結果、夜も全く眠れなくなり、強い抑うつ状態になってしまいました。そして就職から3か月が経過したころ、限界を感じて初めてメンタルクリニックを受診しました。

最初は「うつ状態」と診断されて休職し、そのまま退職。その後も通院を続けながら詳しく検査をしたところ、根底に「アスペルガー症候群」の特性があることが分かりました。現在は仕事を辞めて自宅で過ごしていますが、お金の計画的な管理や、役所の手続きといった複雑なやり取りは一人では難しく、同居しているご家族が全面的にサポートしている状態です。

申請のときに壁となったこと

初めて病院に行った日の証明

Bさんの場合、初めて受診した日が「会社員として働いていた期間(厚生年金加入中)」だったため、障害厚生年金という種類での申請になります。この「初めて受診した日」を最初の病院で正確に証明してもらい、当時に保険料の未納がなかったかなどを年金事務所で確認する必要がありました。

短い診察時間では伝わらない「お家でのしんどさ」

障害年金の審査では、「普段の生活でどれくらい周りの手助けが必要か」という点がとても重視されます。しかしBさんは、お医者さんの前に行くと緊張してしまい、「最近どうですか?」と聞かれても、つい「大丈夫です」「変わりありません」と答えてしまう癖がありました。そのため、実際はお家で引きこもりがちであることや、家族がつきっきりでサポートしている実態が、お医者さんに十分に伝わっていないという不安がありました。

「昔のことを全部書かないといけないの?」という誤解

Bさんのご家族は、インターネットで「発達障害の申請には、生まれてからの成長記録を全部書かないといけない」という情報を見て、「幼少期の細かい様子なんて、今さら思い出せない……」と頭を抱えておられました。実は、今回のBさんのように「大人(20歳以降)になってから初めて病院に行ったケース」では、書類に書くべき期間のルールが少し異なります。この勘違いのせいで、手続きが完全にストップしていました。

弊所がお手伝いしたこと

お医者様へお渡しする「生活のまとめ」を作成

Bさんやご家族から、普段の生活でどんなことに困っているかをじっくり時間をかけてヒアリングしました。 診察室では言葉にできなかった、「他人の言葉の裏が読めず不安で、一人で外出するのが怖い」、「役所の手続きや銀行のやり取りはパニックになるため、すべて家族が代行している」 といった具体的なエピソードを、国の審査基準に沿った読みやすい資料にまとめました。これを受診時にお医者様へお渡しいただいたことで、先生も「なるほど、お家ではそんなに大変だったんだね」と深く理解してくださり、実態にぴったり合った診断書を書いていただくことができました。

今の状況に合わせた「申立書」の作成

20歳を過ぎて働き始めてから初めて病院に行ったBさんのケースに合わせて、状況を伝える書類(病歴・就労状況等申立書)を作成しました。 出生時まで遡るのではなく、仕事で行き詰まりを感じ始めた「初めて病院に行く少し前」をスタート地点に設定。そこから初診日の様子、仕事を辞めることになった経緯、そして現在の無職の生活状況にいたるまでの経過を状況の変化ごとに区切って文章にまとめました。お医者様の診断書の内容ともバッチリ内容が噛み合う、筋の通った書類を完成させました。

受給決定結果

決定した内容:障害厚生年金2級

書類を提出してから約3か月後、無事に「障害厚生年金2級」の通知が届きました。これにより、Bさんは毎月安定した年金(会社員時代の収入に応じた上乗せ分を含む)を受け取ることができるようになりました。「これから先のお金の不安が軽くなったおかげで、焦らずにじっくり体調を整えることに専念できます」と、Bさんもご家族もほっと胸をなでおろしていらっしゃいました。

まとめ

障害年金は、社会に出てからの環境の変化につまずき、心や体を傷めてしまった方が、少しでも安心して次のステップへ進むための大切な権利です。

「大人になってから発達障害って言われたけれど、私ももらえるのかな?」「書類の書き方なんて全然わからない……」と、一人で抱え込む必要はありません。

私たちは、あなたやご家族のこれまでの歩みと、今のつらさに優しく耳を傾け、一番良い方法を一緒に考えていきます。まずは気軽なお気持ちで、小さなお悩みからお聞かせください。あなたの明日が少しでも軽くなるよう、誠心誠意お手伝いいたします。

豊島区、練馬区、板橋区、中野区、杉並区、北区、新宿区、東京23区、埼玉県、神奈川県で社会保険労務士をお探しの皆さま、障害年金申請、審査請求、再審査請求のことなら、城田社会保険労務士事務所にご相談ください。

著者 特定社会保険労務士
城田 めぐみ
城田社会保険労務士事務所
東京都豊島区

当事務所は、障害年金の申請支援を専門に取り組んでいる社会保険労務士事務所です。様々な傷病による障害年金の手続きは複雑で、多くの方が途中で諦めてしまうこともあります。当事務所では、初回相談から診断書の準備、申請書類の作成、年金事務所とのやりとりまで、受給に向けて丁寧にサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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