卵巣がんの抗がん剤副作用で障害年金はもらえる?
「がんの治療を続けながら、これまでの通りに働くことが難しい……」 「抗がん剤の副作用で体が思うように動かないけれど、障害年金の対象になるのだろうか?」
卵巣がんなどの悪性新生物(がん)で治療中の方にとって、身体的な苦痛とともに大きな重荷となるのが、将来への経済的な不安です。実は、がんそのものによる衰弱だけでなく、抗がん剤治療に伴う「しびれ」「激しい倦怠感」「貧血」などの副作用によって日常生活に著しい制限がある場合も、障害年金の受給対象となる可能性があります。
しかし、がんの申請で主に使用される「その他の障害用の診断書」は記載欄が限られており、ご自身の辛さを正確に反映させるには専門的なノウハウが必要です。
本記事では、当事務所がサポートした卵巣がん患者・Aさんの事例を通じ、どのようにして受給に至ったのか、具体的な解決策をご紹介します。この記事を読めば、申請に向けた最初の一歩が明確になるはずです。
事例の詳細解説
氏名: Aさん(40代・女性)
病名: 卵巣がん
初診日: 2023年5月(腹部の違和感で近所の婦人科を受診した日)
申請時の状況: Aさんは手術後、再発予防のため半年間にわたる抗がん剤治療を続けていました。しかし、強い倦怠感と手足の末梢神経障害(しびれ)が残り、包丁を握る、ボタンを留める、長距離を歩くといった日常動作が困難に。休職期間が満了に近づき、経済的な不安から当事務所へ相談に来られました。
直面した課題:簡素すぎる診断書
がんの障害年金申請では、一般的に「その他の障害用の診断書(様式第120号の7)」を使用します。この様式は、精神障害用や肢体用と比較してチェック項目が少なく、医師が多忙な中で作成すると「現在の治療内容」や「検査数値」だけの記載に留まってしまい、「日常生活でどれほど困っているか」という実態が反映されにくいという大きな課題があります。
弊所によるサポートと解決策
当事務所では、Aさんの受給可能性を最大化するため、以下のステップでサポートを行いました。
① 詳細なヒアリングによる「辛さ」の可視化
Aさんに、抗がん剤の副作用がいつから始まり、具体的にどのような場面で困っているかを詳しくお聞きしました。
症状: 激しい倦怠感、手足のしびれ、嘔気、認知機能の低下
生活実態: 「洗濯物を干す際、腕が上がらず10分以上続けられない」「しびれで階段の昇降が危うく、外出を控えている」といった具体的なエピソードを抽出しました。
② 医師への説明資料の作成
医師に現在の生活実態を正確に理解してもらうため、ヒアリング内容を基にした詳細な依頼状を作成しました。
抗がん剤の薬剤名と投与期間、回数の明記。
がんのステージ、現在の体重(体力低下の指標)の記載依頼。
「身の回りのこと」から「社会生活」まで、Aさんが「できないこと」を具体的に列挙し、診断書の備考欄や「日常生活能力」の項目に反映していただくよう丁寧にお願いしました。
③ 病歴・就労状況等申立書の整合性
診断書の内容と矛盾がないよう、発病から現在までの経緯を、Aさんから随時いただいた連絡内容(体調の変化や通院の記録)を基に作成しました。
受給決定までの流れ(目安)
- 相談・受任: 1ヶ月目(ヒアリングと初診日証明の取得)
- 医師への診断書作成依頼: 2ヶ月目(作成した依頼状を添えて受診)
- 裁定請求書の提出: 3ヶ月目(年金事務所へ書類一式を提出)
- 受給決定: 提出から約3.5ヶ月後(障害厚生年金2級の決定)
【結果】 Aさんは、抗がん剤の副作用による倦怠感と末梢神経障害が「日常生活に著しい制限がある」と認められ、無事に障害厚生年金2級の受給が決定しました。
社労士に依頼するメリット
障害年金は、書類審査のみで決定されます。一度提出した書類を後から修正することは非常に困難です。
「書かれていない」は「症状がない」とみなされる: 医師は医療の専門家ですが、患者さんの自宅での様子をすべて把握しているわけではありません。社労士が介在することで、医療的な視点と生活者の視点を結びつけ、漏れのない診断書作成をサポートします。
精神的・肉体的な負担の軽減: 治療中で体力が低下している中、複雑な年金制度を理解し、何度も年金事務所や病院へ足を運ぶのは大きな負担です。申請の大部分を代行することで、患者様は治療に専念いただけます。
まとめ
卵巣がんの治療は長く、険しい道のりかもしれません。しかし、障害年金という制度を活用することで、経済的な安心を得て、自分らしい治療の選択肢を広げることができます。
「自分の症状で本当にもらえるの?」「主治医にどう伝えればいいか分からない」と悩まれている方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。Aさんのように、あなたの「声」をしっかりと書類に込め、受給という形でお力添えいたします。
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