初診日が10年前で記録が残っていない…障害年金申請の壁
障害年金を申請する際に最も多く寄せられるご相談のひとつが「初診日の証明が取れない」というものです。障害年金制度では、初めて医師にかかった日=初診日を特定し、その日に厚生年金や国民年金の被保険者であったことが要件となります。どれほど現在の障害状態が重くても、初診日を証明できなければ障害年金は支給されません。
今回ご紹介するケースは、まさにその「初診日問題」に直面した方の事例です。初診日は10年以上前にさかのぼるもので、当時通院していた医療機関にはカルテや受診記録が残っておらず、初診証明書を発行してもらうことができませんでした。
「このままでは障害年金を申請できないのではないか」とご本人は深刻に悩まれていましたが、第三者証明という方法を活用することで無事に障害基礎年金2級を受給することができました。今回は、その経過と大変だった部分を詳しくご紹介します。
第三者証明で初診日を補う方法とその難しさ
障害年金の初診日は、医療機関の証明(受診状況等証明書)が原則です。しかし保存期間の問題で記録が残っていない場合、代替手段として「第三者証明」を提出することが認められています。第三者証明とは、家族や友人、当時の職場の同僚など、初診日当時の状況を知る人物に証明してもらう方法です。
今回のご依頼者様は10年前に不調を訴え、近所の内科を受診していました。しかしその後は病状の悪化により転院を繰り返し、最初の医療機関には数回しか通っていませんでした。申請準備にあたりその病院に問い合わせたものの「カルテの保存期間(5年)を過ぎており、記録は廃棄済み」との回答。初診証明は取得できず、大きな壁にぶつかりました。
ここで私たちがご提案したのが第三者証明です。ただし、第三者証明は医療機関の記録に比べて証明力が弱いため、採用されるかどうかはケースごとに審査機関の判断に委ねられます。そのため、できるだけ具体的で信頼性の高い証言を複数集めることが重要です。
ご本人に相談した結果、当時一緒に通院を付き添った友人、そして職場で休職するきっかけを知っていた同僚の2名に協力をお願いできることになりました。しかし依頼にあたっては「責任が重いのではないか」「本当に役に立つのか」といった不安の声もありました。そこで私たちが間に入り、第三者証明の趣旨や記載のポイントを丁寧に説明し、負担を軽減できるようサポートしました。
証明書には「〇年頃に体調を崩して食欲が落ち、友人として病院に付き添ったことを覚えている」「その後休職しがちになり、医師にかかっていたと聞いた」など、当時の状況が具体的に記されました。こうした証言が、初診日を補う貴重な証拠となりました。
障害基礎年金2級を無事に受給できた事例
第三者証明2通と、現在の主治医に作成いただいた診断書を添付し、障害基礎年金の申請を行いました。審査は約4か月に及び、その間ご本人は「第三者証明だけで認められるのか」と不安を抱え続けていました。
結果は「障害基礎年金2級」認定。初診日の証明が難しい中でも、丁寧に準備を重ねたことが実を結びました。通知を受け取ったとき、ご本人は「これで生活の見通しが立てられる」と涙ぐみながら喜ばれたのが印象的でした。
この事例からわかることは、障害年金申請において初診日を証明できなくても、諦める必要はないということです。もちろん第三者証明は万能ではなく、十分な具体性や複数の証明が必要です。しかし、専門家が関与して経緯を整理し、証明者に安心して記載していただけるよう支援することで、認定につながる可能性は大きく広がります。
当事務所では、初診日が古く記録が残っていない方や、医療機関の証明が取れずに申請を諦めかけている方からのご相談を数多くお受けしています。ぜひ一度ご相談ください。障害基礎年金2級の受給を実現した今回のケースのように、一緒に解決策を探していくことが可能です。
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