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うつ病で障害厚生年金2級を受給できた事例

~「働けない現実」を正しく伝え、道が開けた一件~

今回は、うつ病を患い長く就労できない状況が続いていた方が、障害厚生年金2級の受給につながった事例をご紹介します。

私たち社労士の仕事は、ただ書類を整えるだけではありません。
制度の複雑さや医療との連携、そして何より「本人の苦しさ」を制度に則って適切に伝える――。
それが、障害年金という支援制度に結びつく鍵になります。

相談者の状況

ご相談に来られたのは、40代前半の女性でした。
都内の企業で長く営業職として勤務されていましたが、3年ほど前から体調を崩し、仕事を続けることが難しくなっていったそうです。

当初は「気分の落ち込みがある」「朝起きられない」といった軽い不調でしたが、次第に職場へ向かうのもつらくなり、欠勤が増え、最終的には退職を余儀なくされました。

精神科を受診したところ「うつ病」と診断され、以後、自宅療養を続けながら治療を受けていました。

障害年金の存在を知らずにいた3年間

驚くべきことに、この方は「障害年金」という制度の存在を知らなかったのです。
インターネットで調べていて偶然、当事務所のホームページにたどり着き、「もしかしたら自分も対象になるのではないか」とご相談に来られました。

私はまず、以下の点を丁寧に確認しました:

  1. 初診日はいつか(障害年金の「起算日」に関わる重要な要素)
  2. 初診時に加入していた年金制度(厚生年金か国民年金か)
  3. 現在の症状と日常生活の状況
  4. 就労状況の変化や制限

この方の場合、初診日は会社を休職しはじめた時期であり、当時は厚生年金に加入していたことがわかりました。
このため、障害厚生年金の請求が可能となりました。

書類の準備段階で最も苦労したのが、「日常生活や就労における制限」を客観的に、かつ制度に則って表現することでした。

この方は「外に出るのが怖い」「人と話すと動悸がする」「集中力が持たずテレビも見られない」などの症状がありましたが、自己評価としては「自分はまだ大丈夫かもしれない」と感じている節もありました。

これはうつ病の方に多く見られる特徴で、自分を責めてしまい「自分が悪い」「怠けているだけだ」と考えてしまうのです。

私は、ご本人と何度も面談を重ね、ご家族からのヒアリングも交えて、以下のような生活状況を丁寧に文書に起こしました。

  1. 買い物や通院は一人で行けず、常に付き添いが必要
  2. 入浴や食事も声かけがないと忘れてしまう
  3. 家にいる間も、ほとんど寝ているか、ぼんやりしている
  4. 一人での外出は月に1回あるかないか

申請から約3か月後、障害厚生年金2級の支給決定通知が届きました。

ご本人も驚いておられましたが、「ようやく誰かに自分の苦しさを理解してもらえた気がした」と涙ぐまれていたのが印象的でした。

遡及請求(※申請よりも前の時点にさかのぼって請求すること)も認められ、約2年分の年金が一括で振り込まれたことで、経済的にもかなり安定したとのことでした。

社労士として伝えたいこと

うつ病など精神疾患で働けなくなってしまった場合、制度の存在を知らずに生活に困窮してしまう方が多くいらっしゃいます。

障害年金は、「治療と並行して生活を支える制度」です。
無理に働こうとせず、まずは心身の回復を優先できる環境を整えることが、再起への第一歩となります。

今回のケースでは、初診日の特定や症状の整理、医師との連携といった点で、専門的な知識が大きく役立ちました。

もし、あなたやご家族が「うつ病で働けない」「生活が不安」と感じているなら、どうか一人で抱え込まず、私たち専門家にご相談ください。

豊島区、練馬区、板橋区、中野区、杉並区、北区、新宿区、東京23区、埼玉県、神奈川県で社会保険労務士をお探しの皆さま、障害年金申請、審査請求、再審査請求のことなら、城田社会保険労務士事務所にご相談ください。

著者 特定社会保険労務士
城田 めぐみ
城田社会保険労務士事務所
東京都豊島区

当事務所は、障害年金の申請支援を専門に取り組んでいる社会保険労務士事務所です。様々な傷病による障害年金の手続きは複雑で、多くの方が途中で諦めてしまうこともあります。当事務所では、初回相談から診断書の準備、申請書類の作成、年金事務所とのやりとりまで、受給に向けて丁寧にサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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