全身性エリテマトーデスで障害厚生年金2級
「毎日体が重く、微熱が続いて仕事に行けない……。でも、外見からは元気そうに見られてしまう。」
指定難病の一つである全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患を抱える方は、このような「周囲に理解されにくい辛さ」を抱えています。障害年金は、こうした難病によって日常生活や労働に支障が出ている方のための、公的な所得保障制度です 。
しかし、難病は症状が一定ではなく、複数の臓器に影響が及ぶことも多いため、認定基準の判断が非常に複雑です 。自身の状態を正しく年金機構へ伝え、適切な認定を受けるにはどうすればよいのでしょうか。
本記事では、当事務所がサポートした難病患者Aさんの事例を通じて、申請時に直面する課題と、それを解決するための専門的なアプローチを詳しくお伝えします。
本記事のポイント
• 難病特有の「体調の波」をどのように診断書や申立書に反映させるか 。
• 複数の症状(合併症)がある場合の「総合認定」という仕組みの活用 。
• 社会保険労務士が医師とどのように連携し、実態に近い書類を作成するか。
事例の詳細解説:多岐にわたる症状に苦しむAさんのケース
Aさんの背景と発症までの経緯
- 本人様: Aさん(30代・女性)
- 傷病名: 全身性エリテマトーデス(SLE)、ルプス腎炎(合併症)
- 初診日: 約8年前(会社員として厚生年金加入中)
Aさんは就職して数年が経過した頃、強い倦怠感と手指の関節痛、顔面の紅斑が現れました。最初は「疲れ」だと思っていましたが、症状が悪化し、大学病院を受診したところ「SLE」と診断されました。その後、入退院を繰り返しながら仕事を続けようと努力しましたが、合併症として腎臓にも障害(ルプス腎炎)が出始め、現在は週に数日しか出勤できない状況になりました。経済的な不安が募り、当事務所へ相談に来られました。
直面した具体的な課題
Aさんがご自身で手続きを検討した際、以下の3つの壁にぶつかりました。
- 認定基準の判断が難しい: SLEは「その他の疾患による障害」の基準が用いられますが 、Aさんの場合はルプス腎炎による腎疾患の症状も重く 、どちらの基準で評価されるべきか判断に迷われていました。
- 体調変動の反映: 診察の日はたまたま調子が良くても、月の半分以上は寝込んでいるような実態が診断書に反映されない懸念がありました 。
- 初診日の特定: 最初に受診したクリニックがすでに廃院しており、初診日の証明をどうすべきか途方に暮れていました。
当事務所によるサポートと課題の解決
当事務所では、Aさんの権利を適切に実現するため、以下のステップで進めました。
- 包括的な生活実態の整理: 「一般状態区分表」を用いて、Aさんの日常生活が「ア(無症状)」から「オ(常に介助が必要)」のどの段階に該当するか、詳細なヒアリングを行いました 。Aさんの場合は「エ(身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床している)」に近い状態であることを明確にしました 。
- 多角的な認定基準の検討(総合認定): SLEそのものによる全身倦怠感等の評価に加え、ルプス腎炎による腎機能障害(血清クレアチニン値など)についても精査しました 。内科的疾患が併存している場合、これらを個別に判断するのではなく「総合的に認定する」というルールに基づき、書類を構成しました 。
- 客観的な初診日資料の収集: 廃院した病院のカルテは残っていませんでしたが、当時の診察券やお薬手帳のコピー、家計簿の医療費記録など、本人の記憶を裏付ける複数の客観的資料を収集し、年金機構へ提出しました 。
- 医師への情報提供: Aさんの具体的な就労制限(立ち仕事が困難、頻繁な欠勤など)や家庭での制限をまとめた資料を作成し、主治医へお渡ししました。これにより、医師も診察時間内だけでは把握しきれなかった「日常生活の制限」を正確に反映した診断書を作成することが可能となりました 。
適切な認定と将来への展望
結果として、Aさんの障害の状態は「日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度(2級相当)」と認められ 、障害厚生年金2級の決定通知を受け取ることができました。
社会保険労務士に依頼するメリット
難病の申請において、社労士は単なる書類の代行者ではなく、ご本人の状態を「認定基準という法的言語」に翻訳する専門家です。
- 複数の合併症を統合して評価: SLEのように腎臓、神経、皮膚など多岐にわたる障害がある場合、個別に申請するよりも、それらを総合して評価する方が適切な認定につながります 。
- 客観的な裏付け資料の収集: 廃院やカルテ破棄などのトラブルに対しても、あらゆる法的・事務的手段を尽くして実態の証明を試みます 。
まとめ
難病による障害は、目に見えにくいからこそ、丁寧に事実を積み上げて証明していく必要があります。Aさんのように「自分は対象外かもしれない」と諦めかけている方でも、専門家が介入することで道が開けるケースは少なくありません。
「主治医に状況をうまく伝えられない」「昔の病院がなくなっていて困っている」 そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。あなたのこれまでのご苦労をしっかりと受け止め、適切な権利の実現を全力でサポートいたします。
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